Ciclismo en España

スペインで自転車レースを追いかけて10年。日本のTVでは見れないレースの様子を伝えます。

プルエバ・ビリャフランカーオルディジアコ・クラシカ レースレポート

毎年7月25日にバスクのオルディジア(これは、現地のバスク語での村の名前。いわゆる「スペイン語」と呼ばれるカスティリャ―ノでは、「ビリャフランカ」という名前になります)で開催される、夏のバスクの名物レース、プルエバ・ビリャフランカーオルディジアコ・クラシカ。

1周35㎞のコースを5周する、周回コースです。

しかし、さすがにバスクでのレースだけあって、楽なはずがありません。なにしろ、プロフィールマップがこの通り。

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http://www.ordizia-pruebavillafranca.com/ficheros/pruebas/ficheros/Libro%20de%20ruta%202018.pdf

上りの最大の難所は最大斜度15%。加えて、意外と道は狭いし、下りもカーブが多くて、テクニカルな道が続きます。

 

今年のこのレースには13チームが出走。

そして、このレースを仕切るであろうとみられていたのは、Mitchelton-ScottとMovistar Team。Mitchelton-Scottは2年前のこのレースの優勝者であるサイモン・イエテスをエースに指名。

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筆者撮影。出走前サイン台にて。地元の自転車ファンと。

一方のMovistarは、今年のジロとツール・ド・スイスで名アシストを見せた、ビクトル・デ・ラ・パルテ選手をエースに選択します。

ちなみにデ・ラ・パルテ選手はここバスク出身。

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筆者撮影。左から2番目のMOVISTARの選手がデ・ラ・パルテ選手。

 

実は、毎年この日はオルディジアの夏まつりの日。

朝9時に出走サイン台に選手が現れますが、その時にはすでに観客は元気いっぱいです。

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筆者撮影。観客は朝9時からこの元気。

そんなサイン台に一番最初に現れたのはInteja。

大ベテランのパコ・マンセボも、観客の応援に大喜びです。

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筆者撮影。ご機嫌(?)なパコ・マンセボ(向かって一番右)。

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筆者撮影。DARE GAVIOTA.

今回のレースは日本からチーム右京が出走していました。

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筆者撮影。チーム右京。サイン台にて。

チーム右京も今年でこのレース3回目の出走なので、観客の方も応援は慣れたもの。

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筆者撮影。

 

スタート直前、Mitchelton-Scottにちょっとしたトラブル発覚。カルロス・ベローナの車輪がパンクします。

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筆者撮影。スタート前、カルロス・ベローナ(右から2番目)がパンク。急いでタイヤ交換。

 

それを見ていた、某チームの監督と私の会話。

筆者「でも、よかったじゃん。パンクしたのがスタート前で」

某チーム監督「いやぁ、できればスタート後にパンクしてほしかったなぁ。」

・・・監督、思わず本音か。

 

朝10時、レースはスタート。

レース展開は、1周目で5人の逃げが決まり、その後、20人ほどの後続集団が続きます。

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筆者撮影。第1逃げ集団。

この2つ目の逃げ集団にMitchelton-Scottがサイモン選手を送りこんでいました。

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筆者撮影。第2逃げ集団。村の広場を通過中。

また、全部で25人ほどの選手が逃げていたので、各チームから1人か2人は逃げ集団に送りこんでいたため、大部分の選手を抱えた第3集団をコントロールして逃げ集団との差をつめようとするチームが出てきません。

かろうじて、第3集団を引いていたのは、カハルラル・RGA。

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筆者撮影。メイン集団をカハルラル・RGAが引っ張る。

そうこうしているうちに、第3集団と第1逃げ集団との差は2分差にまで開きます。

結局、この2分差はゴールまで縮まることはありませんでした。

 

最後の3kmで、Mitchelton-Scottのサイモン選手とロバート・パワー選手が飛び出し、そのままゴールまで独走します。

そして、ゴールはパワー選手が少しだけ先着。

Mitchelton-Scottのワンツー・フィニッシュでした。

そして、第3位で表彰台に上ったのは、イスラエル・サイクリング・アカデミーのクリス・ネイランズ選手。

第2集団のスプリント争いを制しました。

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筆者撮影。3位争いを制したネイランズ選手。

 

ちなみに、パワー選手、優勝したのが本当にうれしかったのでしょうね、表彰台でこんなシーンも見られました。

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筆者撮影。シャンパンを持ってご機嫌のパワー選手。

 

ちなみに、MOVISTARチームは逃げ集団に選手を送りこんだものの、これと言った動きができないままレースを終わりました。

エースナンバーを付けていたデ・ラ・パルテ選手は、ゴールした途端に苦笑い。

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筆者撮影。ゴール後のMOVISTARの選手たち。

表彰式でのTOP3はこの通り。

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筆者撮影。左から2位のサイモン選手、優勝のパワー選手、3位のネイランズ選手。